長期研修総括

1年間の長期研修が本日終了しました。
人生のしめくくりの日でもあるので,正直に書きます。
なぜ,長期研修を希望したのか。
それは,教師という仕事がイヤでイヤでたまらなくなったからです。
正確に言うと,おもしろくないと強烈に思うようになったからです。理由として思い当たる最大の理由は,もしかしたら映画の「UDON」かもしれません。あの映画を見て,楽しいことばかりじゃなかったけど楽しくて楽しくてしょうがなかった頃を思い出しました。友人に今の仕事はおもしろい?と聞かれて「たいへんだけど,無茶苦茶おもしろいぞ」と胸を張って言えたあのころ。それにくらべて今はどうなんだ。生徒達のために,地域のためにといった気持ちよりは,収入を得るための気持ちの方が強い私がそこにいます。たぶん,独身だったらやめていると思います。しかしやめることができない私。
そんな気持ちで,教師を続けていいのかと考えました。そこには,私が最も嫌いな教師像が見えてきます。そういえば,教育庁勤務時代はひたすら現場に帰りたいと願っていました。教師がやりたくてやりたくてしょうがなかった時代です。
そこで,もう一度現場を離れる決心をしました。もし現場を離れて,教育庁勤務時代のように現場に戻りたいという気持ちが生まれるかどうか。もし,生まれたら私も教師を続けてもいい人間なんだと思うようにしようと考えました。
さて,1年たってみてどうかというのが最大のポイントです。先にも書きましたが正直に書きます。現場に帰りたいという思いは限りなく0に近いです。でも0ではありません。それは,たまに学校に帰った時に会う生徒たちからの言葉「先生帰ってきてな。」「先生いつ帰ってくるん。私らの学年に帰ってきてな」です。お世辞でもうれしい言葉です。
さらに,教師をやりたいなあという気持ちは,研修前より少しですが大きくなっているのは確かです。
教師をやりたいなあと思った理由は,すばらしい人たちにたくさんあったからです。小学校の先生達の博愛に満ちた笑顔や現場に帰ることを本当にうれしそうにしている人たち。自分を省みてもっといい先生になろうと努力している人たち。研修員のみなさんはだいたい同じ世代だったので,家庭や人生・仕事上の悩みも同じようなものが多く,励まされたことも大きかったです。そんな人たちを見ると,教師という仕事もすてたもんじゃあないなあと思えてきました。私もそんな人たちのようになりたいなあと思いました。ちょっと教師という仕事をがんばろうかなあと思うことができました。
最後に大学を卒業する時みたいな,切なくて胸がキュンと来るような体験はもう2度とできないと思っていました。教師という人種で本音を語り合える新しい友人はもうできないと思っていました。
しかし,2つともできました。
それがこの1年間の最大の成果であり,心の底からうれしいことです。